2008年2月22日金曜日

同時進行的【e-Tax】顛末記 -その10(最終回)-

【action13】
さて、今回をもって最終稿にしましょう。

やるべきことはやったし、確定申告書に何か問題があれば当局からの問い合わせがある…?

友人も、触発されててのことか(?)、【e-Tax】にチャレンジ中との連絡がありました。

そこで、私の環境下における総括を試みます。


ポイントは
1 【e-Tax】というシステムの完成度について。
2 個人的なPC環境等に依拠する問題について。
です。


1 【e-Tax】というシステムの完成度について
おそらく、ASPとして理論的に完成されていることは間違いありません。
なぜなら、間違いがあったら日本国憲法に規定された「納税の義務」の根幹を揺るがしかねない大問題なわけですから、国家の威信に懸けて間違いは無いと信じます。

ただし、運用面においては改善点はあると思います。
ああしたら、こうしたら…は、関わる方や使用する方の関与・理解・慣熟or習熟の度合いにもより、正解を求めることは不可能です。
とりあえず、システム的に間違いが無ければ可としましょう。

要するに、連載の中でも触れましたが、同じ目的のために「確定申告書等作成コーナー」と「e-Taxソフト」の2系統が用意されていることに象徴されると思います。

正確には、前者は全税体系のうち、いわゆる確定申告時期に集中する所得税を主とした特定の税目に関するもので、包含関係から言えば「e-Taxソフト」の特定機能が「確定申告書等作成コーナー」に移植されている…そんな感覚です。

また、システム的には「確定申告書等作成コーナー」はASPですが、「e-Taxソフト」は一般的なアプリケーション・ソフトですから、そもそもの作り方が異なります。


この辺りが、納税者の立場から考えたときに、システム上の作法や手続きの差異になって表れていると思います。

どちらを使いやすいか、とか、馴染みやすいか…という問題については、先述のとおり個人による選択の問題で、単純かつ一義的に優劣を決することができない問題だと思います。

2 個人的なPC環境等に依拠する問題について
さて、システムの観察を行った上で2つ目のテーマについてです。

先に「確定申告書等作成コーナー」はASP、「e-Taxソフト」は一般的なアプリケーション・ソフトという私の知り得る言葉による分類をしました。
これがPC環境という意味では、使い勝手に大きな差を生じているようです。

以下は、私のPC環境や体験に基づく感想です。

結論から申し上げますと、「e-Taxソフト」がJAVAに依頼していない分だけ、安定している感じがします。

というのは、図らずも最終段階に見舞われた2つのトラブルが、JAVAに関するアラーとを表示していたことによります。

2つのトラブルのうちの1つは、公的個人認証サービスのクライアントソフトにおいて生じた問題です。したがって、正確に申し上げれば両方とも「確定申告書等作成コーナー」のASPに関わる問題発生ではありません。
しかし、当該ソフトのJAVA環境下バージョンで同様のアラート表示がされたことを考え合わせると、私のPC環境におけるJAVAの問題が影響していることは、十分に予想のできることです。

より対処療法的に具体的な言い方をするなら、公的個人認証サービスのクライアントソフトはOSがWindows XPであるならば、ver.1の方が安定しているのでは…という感想です。
Windows Vistaの場合は選択の余地がありませんから、ver.2で走るよりほかないわけで、つまりXPユーザーの方に許される選択です。

「確定申告書等作成コーナー」というASPにおいて、全ての場面でJAVAに頼っているとは思われません。今回、たまたまトラブルに見舞われた個人認証の手続き(申告書の作成等には関係しない?)に関連して、JAVAが影響したのでは? というのが、素人ながらの観測です。

要するに、OSという基盤の上に直接にアプリケーションソフトを乗っける(タイプA)か、同じくOSの上にJAVAを乗せて、その上にWEB経由でASPを乗っける(タイプB)か、というシステムの構造上、作り方における差異が、いわゆる「安定性」に影響しているのかな…という感想です。

そうしたA・Bのタイプ別もありますが、アプリ版の方が作られてから長期間を経過しており、バージョンチェンジの履歴も豊富です。その分だけソフトとしての安定性が高いのでは、というのも正解に遠くないと思います。

正確のために、もう一度、繰り返しますが、個人の環境下おけるOSあるいはJAVAに、いずれも問題が無ければ、両方とも問題を生じ得ないことが前提となっております。
つまり、問題が生じた原因は、私個人のPC環境に依拠するものとの前提で判断しています。
万が一、この時点でシステム的なバグや改善点があったとしても、ユーザーとしては知り得ない立場であり、それらに問題がないという前提で理屈を積み上げるよりほか、ありませんから。

というわけで、

●確定申告書等作成コーナー は
一般人向け だが (設定によって or 部分的に?)JAVAの影響を受ける場合がある

●e-Taxソフト は
システム的に安定していて かつ 専門家向け

(公的個人認証サービスのクライアントソフトにJAVA仕様を設定した場合には、上記のいずれであってもJAVAの影響をうけるものと思われます)


所感
大々的にPRすることで普及を果たすためには、個人的なPC環境から受ける影響を最小限に留めたシステムが必要と思います。

例えば、現行の「e-Taxソフト」から、現行の「確定申告書等作成コーナー」で実現している処理に関する部分だけを抽出した、アプリケーション版があったらいいと思います。

ASPの方が、法律改正に伴うシステム変更がサーバー側で可能なことから、クライアント側で一々バージョンアップで対応するより、システムを適用する上でのミスが少なく、管理しやすいと思います。この点は、e-Taxに限らずASP全般に言える特徴と思います。

ただ、アプリケーションの場合であっても、起動時に必ずバージョンチェックを行って差分を修正する方法によることで、最新システムへの変更対策も可能かと思います。


結論としては、改善すべき点は多々あるということ。言い出せばキリがありませんが、納税者としては更なる利用のしやすさを求めるところです。


<おしまい>


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【ご留意ください】
本稿は私個人の顛末を記したもので、実際には様々なケース、バリエーションがあろうかと思います。私の責任と判断に基づいて選択した具体的な手段等が、普遍的になり得ないことは明らかです。あくまでも一つのケースとして参考にして頂くに留めて下さいますよう、お願いします。不明点等については、皆さんそれぞれにおいて適切に解決されますようお願いします。