2008年10月19日日曜日

ヘブンスそのはら 紅葉、真っ盛り


つい最近の新聞に
「ヘブンスそのはら」の紅葉のシーズンについて告知があった。
天気予報と相談し、10月18日を選んで、さっそく現地へ。
予想気温22℃、降雨確率は午前も午後も10%で、TVの気象予報士氏も
「最高のお出かけ日和です」
と。

朝方は、この時季、天竜川の川霧に見舞われたが、移動中の車中では見る見るうちに晴れ上がり、月並みだが、まさに「雲ひとつ無い、ド・ピーカン」
午前9時30分のロープウエイ乗り場前の駐車場は中京方面のナンバーを付けた車で、ほぼ満杯。
今日は、近隣のパーキングに確実にこぼれそうな勢いだ。


ロープウエイを降りてリフトに。
ご覧のとおり、リフト上から地面に映る影がクッキリと濃い。


【リフトを降りた付近の林】


今回は、当初から富士見台まで行くことを誓ってここまで来たが、バスに乗ってを予定していた。
10時発車予定に乗車を予定してきたが、ロープウエイ、リフトを乗り継いで10時少し前のバス乗り場には長い列。数台が運行している様子だが、生来の「待つこと嫌い」な性格なものだから、家人と申し合わせて、富士見台まで徒歩行に予定変更。



バスに乗っては、ゆっくりと見ることができない風景、感じることができない心地よい風、多少の無理を感じる身体への負荷など、しっかり堪能した。
途中、萬岳荘を経てゆっくり2時間掛けて富士見台山頂(標高1739m)到着。
12時数分前のことだった。
ウン十年も前のこと、中学生の時の学校行事で1泊キャンプ以来だ。
「富士見台」という地名ではあるが、たしか富士山を眺めることはできなかったはずで、家人にその旨を伝えたら残念そう。だが、致し方ない。

普段と見慣れない御岳山や乗鞍岳方面に向いて、眼下に中津川の市街を中心に眺める。
中央道を往来する車が点の移動にしか見えない。
なだらかな傾斜に脚を投げ出して座り、昼食を摂った。
手抜きを恥じながら、コンビニおにぎりと稲荷寿司・太巻きセットだったが、食が進む。
辺りは、5~60代の夫婦やその仲間が大半を占めていて、なんだか照れくさい気分だ。



50分間ほどだったが、山頂でゆっくりして降り始める。
登りの際は写真を撮る余裕など無く、結果的に復路に集中した。

森林限界だったかな? 山肌にはクマザサしか見られない。

復路はリフト乗り場まで萬岳荘からバス乗車を予定していたが、往路に見た順番待ちの行列の比ではない。結果的に、復路も徒歩に決めた。日向きの違いから、往路には見られなかった紅葉の表情がとても尊い印象だ。色づき始める唐松が日光に輝く姿は10日~2週間後の最盛期を予感させるに十分だ。



富士見台からの復路の途中で望むことができた南アルプス。
写真の左から塩見、荒川、赤石を見ることができる。
前回にはロープウエイを降りて展望台との間を往復、徒歩だったから、これで合わせて、富士見台までを含め大袈裟だが完全踏破となったわけで、普段の運動不足はたたったものの、その解消のためには効果絶大であったろう。



午後2時30分を回ると、さすがに吹く風も冷たくなり、しだいに日差しも弱くなってきた。



ちょっと話は外れるが、ロープウエイの往路では、いやな気分にさせられた。
乗り場は順番待ちするでもなく、混んでもいないのにも関わらず、他のグループとの相乗りを強要された。私たちの一行の後には順番を待つ者は無く、だから、当方が次のゴンドラに取ったとして、なんら他を待たせることではないはずだったのに。
乗り場の歳の行った男性係員からは陰険な眼差しで睨まれ、半ば手で行く先を阻まれるように、乗り合わせのゴンドラに押し込められた。
通勤ラッシュ時の山手線ホームでもあるまいに、ゆっくり次のゴンドラを待たせる余裕を与えようとしないのか?
その上、乗り合わせたゴンドラ内は幼い兄弟の手狭な運動場であり、絶え間の無い叫び声ばかり。親はいずれも野放しで、当方は言葉も無くただ一方向の景色に視点を合わせているしかなかったわけで。

幼子の興奮を責めるのではない。
例のサービス精神皆無の係員が当ゴンドラを強制しなければ、こうした不愉快は生じ得なかったわけで。その制御の手を振り解いてでも、後発のゴンドラに乗るべきだった。



ゴンドラの影が西に傾き始めた陽光に映し出され、極めて鮮明だ。



午後3時。この時間になっても、依然として駐車場はご覧の混みよう。
帰りの車で知ったが、第5駐車場にまで車が停まっていた。
例年あるいは普段との比べようはないが、この混みようは初体験で、そのことが驚きだった。

これだけの…、せっかくの自然に恵まれた天然資源に加えて、ロープウエイその他の巨額な設備投資はきちんと償却できているのだろうか?
心配するでもなく、でも、盛況であって欲しいと思うのは、当地の出だからであろうか?


<おしまい>