2008年3月30日日曜日

誤用が気になる…

mixiに「誤用が気になる派(日本語)」というコミュニティーがあって、興味深く読ませてもらっている。

さまざまな誤用の事例や考え方が寄せられて、読み物として面白い。

私なりにそこでの議論を次のように分類している。
 ① 明らかな誤用の例を指摘し是正を求める意見
   (誤用が少数派の場合と多数派の場合があるが…)
 ② 誤用が定着したと思われる例を挙げ、これを容認する意見
 ③ 誤用とは言えないグレーゾーンの例を指摘する意見


①の例は、「間違いやすいカタカナ語ランキング」(goo ランキング)が引用され、分かりやすいものが掲げられている。

  5位:アボカド
 10位:ギプス
 17位:ブダペスト

どう間違うか…だが、おそらく (※右が誤りの例)
 アボカド(Avocado)    ⇒ アボガド
 ギプス(Gips)       ⇒ ギブス
 ブダペスト(Budapest)  ⇒ ブタペスト

(濁点・半濁点について、フォントの具合により難しい場合もある。アルファベットの綴りを参照してもらえれば、より明らかだと思う。)

誤用が少数派の場合と多数派の場合があって、誤用が多数派の例もあろう。しかし、誤用が多勢に無勢で正しい用い方とされる根拠は無いと思う。

外来語の日本語表記の例だけではなく、例えば「茨城」は県名なら「いばらき」であって、「いばらぎ」は誤用の例などさまざま。


②の例では丁字路(甲乙丙…の丁)とT字路(QRS…のT)が面白い。
漢字とアルファベットの表記、発音がたまたま近似していることから生じたと思われる。
いずれが正しいかと問われれば、私は「丁字路」と言う。
しかし、その意味するところも同じ、表記も発音も近似となれば、「T字路」も有りかと思う。
つまり、いずれか一方が正で、他方が誤りとする必要は無かろう、という意見である。
新聞や放送など公け、または自社のコードが有ったりする場合は、これに拠るだろうけれど、一般には認められていいのではと思う。


③の例で注目したのは、例えば次の例。
「寝台」のことをどう表記するかということについての行だ。
私は「ベッド」が正しく、「ベット」という表記は誤りと信じていた。
しかし、英語では「Bed」だが、ドイツ語では「Bett」であるという指摘があって、断じて「ベッド」が正しいとも言えなくなった。
私自身が「ベット」と表記したり発音したりすることはしないが、他が「ベット」を使ったとき、「それは誤用ですよ…」そう指摘したり、指摘しないまでもそう思ったりしないことにした。
おそらく、英語を根拠に指摘すれば大多数が「ベッド」が正しいと信じるであろう。
しかし、「ベット」が正しいという一方の根拠もあるわけで。
社名や製品名など固有名詞で「ベッド」とされている場合のほかは、「ベット」も正しいと言わざるを得ないか。
屁理屈かもしれないが、この例では正誤の判断は灰色域だ。

固有名詞における別の例を挙げると「ビックカメラ」
法人登記もそれだし、アルファベット表記も「BICCAMERA」だから、「ビッグカメラ」は明らかな誤用で議論の余地は無い。
ただ、当の会社としては一般人の誤用に限って悪意が無ければそれを容認すると思うのだが…これは予断の余談。
(一般人の定義が難しいが、この例に限らず報道、出版、広告宣伝など媒体系における誤用は問題だ。)


さて、私も誤用が気になるタイプだが、自身に誤りが無いなどとは決して言えない。正誤を迷うことが多々ある。冷や汗をかいたことも数多い。
だからこそ、この辺りについてはこれからも関心を維持していきたいと思う。


<おしまい>