2007年7月6日金曜日

「ばらの包み」の贈り物

デパートにはそれぞれ顔があって、それは各デパートのイメージを象徴する。

では、高島屋といえば…
私なら迷うことなく直ちに「ばらの包み」と答える。

いつ頃からそれとして意識し始めたのか覚えていない。それほどに自然な感覚だ。

たしか、子供の頃の私にとって大切な「東京のおじさん」が贈ってくれた、その贈り物はいつも「ばらの包み」だった。だから、物心がついたと同時に「ばらの包み」は意識の中にあった。

高島屋のギフト…といえば、タカシマヤ オンラインショッピングでと考える方が増えているそうだ。
この時代、ごく自然の流れといえばそれまでだが、注文の方法や、それを受ける方法が変わろうとも、なんら変わらないのが「ばらの包み」のことだ。

ぜひとも変わって欲しい…企業にそう望むことがあれば、ぜひとも変わらないで欲しい…そう願うこともある。
その代表格が高島屋の「ばらの包み」なのだと思う。

たかが包装紙なのではない。

高島屋に培われた長年の伝統を包み込むように、客とその先の贈られた人までを大切にするという変わらぬ心を織り込むように、あの「ばらの包み」は超然として優雅に、かつ堂々と高島屋を象徴している。

そして、これからもずっとそうあるに違いない、と信じさせる何かが備えている。

大好きだった「東京のおじさん」はもういない。
でも、その息子さんが届けてくれるその贈り物は、相変わらず「ばらの包み」だ。

贈り主の思いが込められた一品には、今でも「ばらの包み」がよく似合う。


<おしまい>