2007年10月21日日曜日

ぬめりイクチ の ビフォー・アフター

【続報】
昨日、記しました拙稿、
古畑権兵衛も食した?…「ぬめりイクチ」
の続報です。

アンタッチャブルはどうでもいい話ですので、「ぬめりイクチのビフォー・アフター」と題します。

お約束(?)のPhoto…美味しそうに撮れているとは思いませんが、記録として留めておきます(笑)ので、よろしかったらご覧下さい。

「イクチ」をよくご存知の方には違和感があるかもしれませんが、わざわざグリーンファームの売り場で専門家に確認したところですから、皆さんもそうとしてご理解下さい。




料理の方法は、家人と協議・思案の結果、味噌汁としました。
具は
「ぬめりイクチ」のみとし、他にゴタゴタと何も加えない、シンプルなものです。
きのこの香りや食感を最も強く感じることができるだろう…そう思ったからです。

ただ、「彩」という点では、味噌汁の色に同系のきのこが溶け込んで、華やかさはありませんね。
質実剛健?
イクチの味噌汁の場合は、煮込んだ後に濃い紫色ともいえる独特の色に変化しますが、「ぬめりイクチ」の場合は、笠の裏、石突の白い色もそのまま…、際立った色の変化はありません。

さて、ヌルヌルした食感というと「なめこ」が連想されます。

「なめこ」の味噌汁の場合、あの「なめこ」の一群全体に絡まるような、包み込むようなヌルヌル感が特徴ですが、「ぬめりイクチ」は明らかにこれと異なります。

「ぬめりイクチ」を口に放り込む…、舌の先で転がす…、するとその笠の表面から一枚の薄衣が剥がれるような、体験したことの無い独特の食感に見舞われます。

薄衣が剥がれる様子について、私が知る限りの擬態語を動員して、中から適当なものを一つを選ぶとすれば、「ツルン」ではなくて「キュルン」です。



「なめこ」の一つを箸でつまもうとして苦労したことがあると思いますが、「ぬめりイクチ」にはそれが無く、箸の先で例の薄衣のような膜までつまむことができます。

香りは強くなく、料理前に生のまま置いておいたら、
むしろそれが生えていたのであろう森の中の…、あるいは宿としていた木株の…、その辺りに厚く折り重なった腐葉土の…、確かにそれらの香りが立っていました。

でも、料理したらむしろ香りを感じさせないくらいに、目立たない…、あの独特の食感に遠慮したのかなと思わせるほど、控えめでした。

ところで、この「ぬめりイクチ」に加えて、もう一つのご馳走がありました。

家族ぐるみで親しくお付き合いさせて頂いている友人の方から、尊いお米を頂戴し、それを炊いて頂きました。

その方のご近所4軒(皆さん非農家です)で力を合わせて丹精した本年産「こしひかり」の「新米」。
しかも、「はざかけ米」プラス「精米したて」ときましたら、味は折り紙つき。
生産された方の顔がハッキリわかる訳ですから、尊さも一塩です。

水加減に気をつけて、いつもより少しだけ控えめに。
炊き上がりの釜の蓋を開けたとたんに、あたりを漂う芳しい香りは、何とも言いようがなく。

「新米のご飯」と「きのこの味噌汁」の協奏あって、秋を満喫することができました。

改めて季節の恵みに感謝です。


<おしまい>